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全国初となる官民連携事業が飛騨市で始動、郵便局員が見守り相談員として高齢者宅を訪問

岐阜県飛騨市は、市内の5つの郵便局(飛騨古川、神岡船津、神岡、東茂住、打保)と連携し、75歳以上の一人暮らし高齢者宅等を訪問する「地域見守り相談員」として各郵便局長らを委嘱しました。4月22日(水)に委嘱状交付式を開催し、官民連携による新たな見守り活動が本格的に始まりました。郵便局が集落支援員として家庭を訪問する活動は全国初となります。

委嘱状交付式には日本郵便(株)の大角聡東海支社長をはじめ郵便局長と職員が参加

高齢者を手助けする地域見守り相談員の創設

一人暮らしの高齢者や高齢者のみで構成される世帯数は増加傾向にあり、福祉ニーズの高まりに伴い、従来の民生委員児童委員などの支援体制だけでは、地域で支援を必要とする方の情報把握が次第に難しくなっていました。

そこで市は2017年度、75歳以上の一人暮らし高齢者を中心に体調や生活状況を見守り、困りごとがあれば行政や関係機関へつなぐ業務支援職員「地域見守り相談員」を2名配置。2018年度に1名、2022年度からはさらに2名を増員し、現在は計5名体制で活動を続けています。

国の2050年推計より先を行く飛騨市の高齢化率

飛騨市の最新の高齢化率は40.89%(令和8年8月1日現在)。この数字は国の直近の推計値29.6%(令和7年度時点)を大きく上回るとともに、2050年の推計である37.10%も超えており、飛騨市が深刻な高齢化の状況にあることを示しています。

飛騨市と全国の高齢化率(出典:飛騨市は2025年まで住民基本台帳(10月1日時点)、2030年以降は日本の将来推計人口(令和5年)、全国は2020年まで国勢調査、2025年以降は日本の将来推計人口(令和5年))

市の高齢者数はすでにピークを過ぎ、減少傾向にあるものの、単身や夫婦のみで構成される75歳以上の高齢者世帯は増加しています。訪問先のご家庭によっては複数回数訪問することもあり、現状の体制を維持するだけでは、今後全ての世帯への訪問が困難になるという課題が浮き彫りになってきました。

訪問回数と訪問対象者数の推移(飛騨市地域包括ケア課)

集落支援員制度と連携した持続可能な見守り体制の構築

高齢化率の上昇による担い手不足や高齢者のみで構成される世帯の増加という課題がある中、飛騨市と日本郵便が2021年に締結した人的・物的資源を有効活用し市民サービスの向上を目指す包括連携協定を活用し、その一環として、日常的に地域住民と接点を持つ郵便局員等が地域見守り相談員として活動を始めることになりました。

また、この取組みは自治体職員と連携し、住民主体の集落維持や活性化を支援する国の集落支援員制度と目的が合致しており、地域インフラを活用した官民連携のモデルとして、市の人的・財政的負担を軽減しつつ、持続可能な体制強化につながっています。

郵便局員が事前研修を経て地域見守り活動を開始

地域見守り相談員として活動する郵便局員は、市の担当部局と訪問開始前に何度も打ち合わせを重ね、必要な活動内容を学びました。訪問時には、生活状況の確認や悩み・困りごとの聴取に加え、熱中症や防犯など時節に応じたアドバイスを行い、世間話を交えながら和やかに会話をしています。今年度は郵便局員が90件の家庭を訪問する予定であり、継続的な取組みを通じて訪問先の支えとなることが期待されます。

小洞昇さん「こうして気にかけてもらえて、いろんなことを話せることが嬉しい」
山崎いつ子さん「定期的に訪問があることで、詐欺とか世間で起きている新しいことを知れるから嬉しい」

「気づきの窓口」としてお客様の変化を意識

飛騨古川郵便局の三木忠裕局長「活動を通じて、時には本音を語り合うことで地域の方々との距離が縮まっていくのを感じています。郵便局では気づきの窓口として、お客様と普段から接するからこそ感じる変化を意識して、より地域の皆さまに親しみを持ってもらえるよう努力していきたいです

三木忠裕局長(右)、訪問を担当する森谷真由美さん(中)、東海支社の小木曽大輔地域共創室係長(左)

郵便局と飛騨市による連携協定

飛騨市はこの30年で全国の倍のスピードで人口減少が進んでおり、2050年には人口が現在の約半分に減少し、高齢化率が50%を超えると推計されています。こうした状況を踏まえ、限られた人的資源をいかに有効活用するかに早くから取り組んできました。今回の取組みは、以前に締結された日本郵便との包括連携協定の一環であり、地域に根差した活動を続けてきた両者の連携によるものです。

包括連携協定以前の協定

  • 地域における協力に関する協定(2017年6月22日)
    市内での業務中に、住民の暮らし(高齢者、子ども、道路など)の異変に気付いた際に飛騨市に情報提供する
  • 災害発生時における飛騨市と飛騨市内郵便局の協力に関する協定(同日)
  • 「郵便局みまもりサービス」をふるさと納税の返礼品とすることに関する協定(2018年1月15日)

飛騨市と日本郵便株式会社との包括連携に関する協定(2021年3月26日)

商店がない地域の高齢者などが行政サービス、買い物などの生活に困らないよう包括的に連携する

○主な取組み

  • 郵便局内で日用品などの店頭販売
  • 郵便局内の空きスペースを活用した高齢者の集いの場の提供
  • いきいき券等の窓口交付※
  • 市行政サービスの提供(住民票等証明書交付、市指定ごみ袋販売)
  • マイナンバーカード出張受付窓口(2022年のみ)

※一人ひとりの高齢者が地域でいきいきと暮らせるよう、多様な助成を行う事業です。入浴券などに使える「いきいき券コース」、外出支援器具購入の「あんきな外出コース」、健康器具を支給する「いつまでも健康コース」、バス利用券の「バス利用券コース」から必要な支援を選べます。

安心して暮らせる地域づくりに向けた今後の取組み

市内の郵便局はエリアごとに対象世帯数や住宅の密度が異なります。今後、一部の郵便局では地域の特色や実情に応じて「地域複合サロン」を開催し、地域住民の語らいの場や憩いの場として活用してもらうことも検討しています。

市では、時代や人口動態の変化に対応し、引き続き地域の方々が安心して生活を続けられる取り組みを模索していきたいと考えています。

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地方創生ジャーナル編集部

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