
オルタナティブ・ポートは2026年7月16日、島根県隠岐郡西ノ島町において、企業の自由な提案を受け付ける「逆プロポーザル方式」の地域共創プログラムを開始したことを発表しました。自治体があらかじめ細かな仕様を定めずに実証フィールドとリソースを開放し、採択された企業の提案については翌年度の町予算への組み込みを積極的に検討する画期的な取り組みです。
西ノ島町は国賀海岸などの素晴らしい自然景観や豊富な水産資源を誇る一方で、一次産業の後継者不足や深刻な人口減少、デジタル化の遅れという課題を抱えています。従来の行政調達の仕組みでは、自治体が作成した仕様書に沿った入札が行われるため、企業の先進的な技術や斬新なアイデアが柔軟に取り入れられないケースがありました。そこで同町は、自らのリソースを提示して企業側から自由に提案を募る形式を採用しました。



プログラムの参加企業には、全室高速インターネットやデュアルモニターを完備した宿泊・作業環境が提供され、3日間の現地滞在型ブートキャンプへ招待されます。このブートキャンプにともなう航空券、フェリー代、現地交通費、宿泊費は全額事業予算から支給されるため、企業側の金銭的負担はありません。参加者は役場職員や漁協、商工会、観光協会などのキーパーソンと直接対話し、課題の深掘りと提案の精査を行います。
地方での技術検証や事業展開を目指す民間企業や起業家にとって、本取り組みは極めて価値の高い挑戦の場となります。完璧な事業計画書が初期段階で求められるわけではなく「この技術を試したい」というアイデア段階から応募が可能です。離島という閉ざされた環境の中で、一次産業のスマート化、観光DX、関係人口の創出など、日本全国の地方が抱える共通課題に対するソリューションをリアルに実証・実装できます。
行政と企業が対等なパートナーとして対話を重ね、実証実験から本格的な事業化、予算化へとスムーズに移行できる体制は、地方創生の現場において画期的な試みです。離島全体の自然や施設を包括的な実証フィールドとして活用することで、持続可能な地域社会をつくる先進事例の構築が期待されます。
【プログラム募集概要】
エントリー締切:2026年8月21日(金)
現地ブートキャンプ実施時期:2026年10月~11月(3日間)
対象企業:業種・規模を問わず、地方課題解決に貢献する技術やサービスを持つ企業
現地参加費用負担:旅費・宿泊費全額支給(1社あたり2名まで)
選考プロセス:一次審査後、ブートキャンプを経て12月に最終プレゼンテーション審査を実施




