働きながら旅する「おてつたび」、申込者の約8人に1人が移住や第二の故郷を探す目的で利用する実態が判明

おてつたびは2026年10月27日、申込者の約8人に1人が移住や第二の故郷探しを目的に利用している実態を発表しました。50代を中心に将来の暮らし方を模索する動きが広がっており、実際に移住や二拠点生活につながった事例も明らかになりました。地域で働きながら暮らす体験が、観光だけでは分からない地域の実像を伝えています。
地方移住への関心は高まり続けています。ふるさと回帰・移住交流推進機構によると、2025年の移住相談件数は7万3003件で、5年連続で過去最多を更新しました。
一方で、仕事や住まいだけでなく、地域の人間関係や暮らしの雰囲気など、観光だけでは見えにくい部分も少なくありません。こうした状況を受け、おてつたびは地域で働きながら滞在する利用者を対象に、移住や第二の故郷探しに関する動向を調査しました。
2026年の申込時アンケートを集計したところ、「将来の移住やライフスタイルの参考にしたい」「第二・第三の故郷や拠点を見つけたい」のいずれかを選んだ人は12.6%でした。約8人に1人が、こうした目的でおてつたびを利用していることになります。

50代以上が中心の利用層
年代別に見ると、50代が37.8%で最も多く、60代が26.2%で続きました。50〜60代を合わせると64.0%を占め、将来の暮らし方を考える年代として目立ちます。
一方で、30〜40代の利用者にも移住や第二の故郷探しを目的とする人が見られます。幅広い世代が、地域で働く体験を将来の選択肢を考える機会として活用している様子がうかがえます。
移住や二拠点生活につながった事例
実際に移住や就職に結びついた事例も生まれています。大阪府出身の塩田恵子さんは2025年7月、熊本県南阿蘇村の温泉旅館でおてつたびに参加しました。当初は2ヶ月間の滞在予定でしたが、現地での交流を通じて移住を決意し、60歳で同旅館の正社員として働き始めました。
北海道から日本一周の旅に出ていた国広誠さん・祐香さん夫妻は、三重県鳥羽市の旅館でおてつたびに参加しました。旅の終盤、再びこの旅館で働きたいと申し出て採用され、夫婦で鳥羽市へ移住しました。

東京都のフリーランス料理人、霜鳥豊さんは愛媛県今治市の旅館でおてつたびを経験し、月の大半を愛媛で過ごし、残りを東京で働く二拠点生活を実現しました。東京都在住の上杉麻衣子さんは高知県四万十市でのおてつたびをきっかけに、同県を将来の二拠点居住先の候補として考えるようになりました。
参加後に広がる地域への愛着
2023年から2026年までの参加後アンケートでは、17.4%が滞在先を移住や二拠点居住の候補に挙げました。このうち73.2%は、おてつたびがなければその地域を訪れる予定がなかったと回答しています。
さらに約76%が滞在先について「特別な地域になった」、約85%が「再訪したい」と答えました。移住にとどまらず、地域への愛着や再訪意向も広がっていることがわかります。
観光だけでは見えない地域の暮らしを体感できる働く旅は、移住や二拠点生活を考える人にとって現実的な選択肢になりつつあります。特に50〜60代の利用が目立つ点は、セカンドライフを見据えた地域選びの一つの形として注目されます。地方との関わり方を模索する読者にとって、働きながら滞在する仕組みは暮らしの実感を得る手がかりになりそうです。




